新ガイドライン関連法成立に際しての声明

内閣総理大臣 小渕恵三殿

1999年7月25日
日本長老教会 靖国神社問題対策委員会

 日本長老教会は、昨年11月、新ガイドライン関連法案に関して声明文を出した。この声明で、国際的な摩擦の解消は、武力によらず、あくま で平和的な手段によるべきことを表明した。これが日本国憲法の精神であり、歴史の教訓である。しかしながら、その新ガイドライン関連法が5月24日に成立 した。このことに対し、強い遺憾の意を表明する。

 政府は、法案審議の段階で、「事態」、「周辺」、「後方支援」などの曖昧な表現を使った法律文案を作成し、審議の大半は、これらの用語の 意味・解釈を巡っての論議に費やされ、この法案と憲法、旧ガイドラインと新ガイドラインとの関係を問う実質審議がほとんどなされなかった。「事態」とは戦 争であり、「周辺」とは、当面、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)・台湾であり、「後方支援」は米軍の戦争への協力であることは、国民の目には歴然として おり、これらの海外での戦闘行為、他国の軍隊との共同作戦などは、日本国家としていずれも憲法が禁止している事柄である。近隣のアジア諸国もまた、このこ とに一層警戒心をつのらせている。

 冷戦構造下では、力の均衡戦略が、互いに報復を恐れるため、戦争を抑止すると言われてきた。しかし、その冷戦構造が崩壊したにもかかわら ず、軍事費が世界第1位と第2位の日米両国が軍事同盟を結ぶに至っては、一層武力主義外交に拍車がかかり、「力は正義なり」との状況がつくられつつある、 と言わなければならない。

 「力は神のものである」(詩篇62)と聖書にあるとおり、真の力は神に属する。私たちは、「軍事力」のごとき人の力をたのみとすることなく、正義と公正をもって世界と国々の民を治め、ついには地をさばくために来られる力ある神をこそ、恐れなければならない。



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