「日の丸」・「君が代」を国旗・国歌とする法案に反対する

1999年7月31日
日本長老教会 靖国神社問題対策委員会

 「日の丸」を国旗、「君が代」を国歌と規定する法案が7月22日、衆議院を通過した。 この間、国民の「日の丸」・「君が代」に対する意 識調査が各種報道・言論機関によって行われた。それによっても、この問題に関しては実に多様な意識・意見が国民の中にあることが判明してきた。それで、定 着化しているから法制化するというが、実は定着化させるための法制化であるとの意図が見えてくる。

 このような状況下で、敢えて政府・国会が「日の丸を国旗とする」「君が代を国歌」とするとの法律をつくることに反対する。 なぜなら、こ のような法律は、「日の丸・君が代それ自体を認めない」、「日の丸・君が代の双方あるいはどちらか一つは容認するが、これらを国旗・国歌として法律化する には反対」、「政府の君が代解釈に反対」などなどの立場にある人の良心の自由を奪うからである。

 法律化は、国民が「日の丸は国旗ではない」「君が代は国歌ではない」との良心の声を、口に出し、文字に記すことをできなくすることである。あるいは、法律化は、良心の声を上げ、表明することが、違法行為をする非国民であると断定する風潮を助長するものである。

 良心は法律の力でもって縛ることはできないが、法律は人の良心に反する言動を強制する力をもっている。憲法は良心の自由を保障しているが、それは、この自由を奪う如何なる法律の制定もできないことを意味している。

 国旗・国歌は政権の変更によって左右されない性格のもの、政権・政党を超えた国民・国家に関わる事柄である。ましてや、それが自民・自 由・公明三党の議員数を合わせてやっと過半数を確保できるという、政治的に不安定で脆弱な政権が処理すべきで事柄ではないと考える。国旗・国歌のこのよう な法制化が可能であるとすると、政権に連動してそれらがいつでも改変できるということも指摘しておきたい。今回の法制化に伴う世論調査の結果は、その可能 性のあることを明白に示している。

 いまや世界政治は、結束とか、一本化とか、対立の解消とかではなく、多様化した国民意識の連帯・共生の時代に入っている。そして、国民の方がこの時代意識を先取りして生きているという現実を、政権をあずかっている者は謙虚に認めるべきである。



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