イラクから自衛隊を早く撤退させ靖国神社参拝を中止してください

内閣総理大臣 小泉純一郎殿

2005年5月4日
日本長老教会「ヤスクニと平和」委員会 委員長 村瀬 俊夫

 私たち日本長老教会「ヤスクニと平和」委員会は、教会数約60からなる「日本長老教会(教団名)」の中で、「ヤスクニと平和」という名称 が示すように、憲法の前文と第9条に表明されている徹底した平和主義、並びに第20条に明記されている信教の自由や政教分離の原則を積極的に擁護し、特に 後者に関しては靖国神社国営化に反対する主張を展開する役割を担って、種々の活動をしております。

 昨年5月4日には、2001年9月11日以降、米国ブッシュ政権が進める大義のないイラク戦争にいち早く賛成し、ついに多くの国民の反対 を押しきってイラクに自衛隊を派遣するに至っていることについて、憲法の前文と第9条に明白に違反する行為ですから反対と抗議の意志を表明し、2004年 5月4日「イラクから自衛隊を撤退させてください」と要請しました。イラク戦争が間違った情報に基づく間違った戦争であることが明白になった今、イラクに 派遣した自衛隊を速やかに撤退させることが、日本国の指導者である小泉首相に課せられた最大の責務であると確信します。日本国は、あくまで憲法の前文と第 9条に従って、国際紛争を武力によって解決する道を放棄し、徹底した平和的手段をもって解決に貢献する道を選ばなければなりません。ですから、誤りを率直 に謡められて、イラクに派遣している自衛隊を速やかに撤退させてください。

 昨年8月13日に沖縄で起きた米軍のヘリ墜落事故について、私たちは貴殿が速やかに処理対策にあたられなかったことに対して同月31日、 厳重に抗議しました。この事件の背後には、沖縄を戦略的な基地の島としてしか見ない米国に追随して日本における米軍基地の75パーセントを沖縄に置き、先 には太平洋戦争末期に本土防衛の盾として過酷な沖縄戦を強いられて多数の民間犠牲者を出した沖縄に戦後も過酷な犠牲を強いている、日本国政府の理不尽な政 策があります。ヘリ墜落事故の起きた普天間基地の閉鎖と返還を急ぐとともに、さらに沖縄から米軍基地を減らすことに熱意を示し、最大限の努力をしてくださ い。その証しの一つとして、普天間に代わる米軍基地を辺野古の沖に移して海上基地を建設する計画は、自然破壊を招いてさらなる過酷な負担を沖縄に強いるも のですから、即刻中止するように決断してください。

 それとともに、最近になって隣国である韓国と中国とで反日行動が高まり、隣国との良好な関係が失われるのではないかという心配な事態が生 じていることについて、首相に強く要請したいことがあります。韓国も中国も、かつての大日本帝国による植民地支配と侵略戦争による苦しみを味わい、それに よる心の傷を深く受けた歴史があります。そのことについての日本国側の認識と反省が十分ではないという印象を与えている点に、今回の反日行動の根本要因が あると思います。つい最近の中国における反日デモが過激化して日本の在外公館や諸施設に被害が及んでいる事実については、それを統制できない中国政府の責 任を追求するのは当然のことであります。しかし、それととともに日本政府は、過去の中国侵略の重い歴史の事実をしっかり受け止め、その戦争に関わったA級 戦犯を祀る靖国神社への首相の参拝が中国(及び韓国)の入々に与えるトラウマの重さを推し量り、首相(及び閣僚)の靖国神社参拝をきっぱり中止してくださ るように強く要請します。首相や閣僚の靖国神社参拝は、いくら私的なものと弁明しても、首相や閣僚の立場で行われる限り公的性格を拭い去ることはできませ ん。それは憲法第20条の政教分離原則に明白に違反する行為です。その点からも、人一倍「憲法を尊重し擁護する義務を負う」(第99条)責任ある立場にあ る首相(及び他の閣僚、国会議員)は、靖国神社参拝をしてはなりません。特に小泉首相におかれましては、今後の靖国神社参拝を英断をもって中止してくださ るよう重ねて要請する次第です。



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