要請文

内閣総理大臣 小泉純一郎 殿

2006年8月3日
日本長老教会 「ヤスクニと平和」委員会 委員長 村瀬俊夫

 日頃の国政へのご労苦に感謝しております。

 イラクからの陸上自衛隊撤収を決断されたことを評価します。私たちは派遣反対を訴えたものたちでありますが、派遣された後も早期の撤収を 訴え続けてまいりました。遅きに失するとはいえ、国民として、自衛隊の全員無事帰還を歓迎いたします。ただ、撤収に際して、ムサンナ州議会とサマワ市長 に、感謝の手紙を自衛隊に対して出すよう、現地の責任者が要請したそうで、最後に汚点を残したことが残念です。日本人の美徳の奥ゆかしさに欠けた行為とし て指揮官をたしなめてください。

 まだ、海上自衛隊はインド洋沖で対テロ対策のために、外国艦船に給油活動をしております。時限立法を何回先延ばしするのでしょうか。派遣継続の国民への説明責任を果たしてください。

 さらに、航空自衛隊の空輸活動の強化に反対いたします。首相は「自衛隊のゆくところが非戦闘地域」だと言われたことがあります。自衛隊の 空輸活動範囲がバクダットとさらに北部地域へと広げられました。バクダットも北部地域も非戦闘地域になったのでしょうか。米陸軍参謀総長は「米軍がイラク 戦争で負けいるとは思えないが、勝利しているともいえない。イラク戦争は終わりに近いというより、始まったばかりだと考えている」と7月14日に語ってい ます。また、米空軍の公式ホームページには、「航空自衛隊は初めて、積極的に戦闘地域へ配備される」と6月28日付けに記事として掲載されています。憲法 違反行為を即刻やめさせてください。

 もう一つの要請です。

 首相は8月15日の靖国神社参拝を予定されているのですか。「心の問題」に答える必要があるのかと反論されそうです。「心が定まらない」 状態であるのでしたら、即刻、中止の決断を忠告いたします。内外の靖国神社を巡る喧噪さの原因は、首相自身の5回に及ぶ靖国神社参拝にあります。この際、 政治家としてとるべき態度は、中止がベストな決断かと思います。参拝決行の波紋と、中止の波紋とをはかりにかけるほどにバランスしている状況ではありませ ん。決行による日本の将来と中止による日本の将来とを政治家として深慮してください。

 日本の常任理事国入りの失敗、北朝鮮制裁決議の中に憲章第7章挿入案が削除された失敗(7章挿入は憲法に触れることで、削除には私たちは 賛成ですが)、そして米軍再編への積極的関与がもたらした中国・韓国の強い疑念などなど、アジア諸国の日本を見る目が厳しいことは、首相自身がよくご存知 と思います。

 以上「大いに議論することは結構」だとして聞き流されず、諫言としてとってください。

 最後に、残された首相の座を有終の美で飾られますように、お祈りいたします。