首相の年頭の伊勢神宮参拝に抗議します

内閣総理大臣
安倍晋三殿

 私ども日本長老教会社会委員会は、2013年1月4日に安倍晋三首相が谷垣禎一法相、田村憲久厚生労働相、茂木敏充経済産業相らと共に伊勢神宮を参拝したことに強く抗議を致します。
 伊勢神宮は、内宮には天照大御神を、外宮に豊受大御神を祭っている宗教施設です。殊に内宮に祭られている天照大御神は日本神道において信仰の対象の頂点とされているものです。記紀神話の神々の子孫が日本の皇室につながるという教えに基づいて、戦前戦中の日本政府は天皇を現人神とする信仰を全国民に強要しました。
 日本政府は、植民地支配を行った台湾、旧満州、朝鮮半島においても神宮参拝を強制し、各国の為政者にまで伊勢神宮参拝を強いました。このように伊勢神宮は軍国主義において日本が支配した諸外国に参拝を強制することによって、思想信条においても忠誠を強制する象徴として用いられてきた神社です。また日本においても天皇を神として崇拝することは国民にとって当然の義務とされ、従わない自由は認められず、国民が天皇のために死ぬことを推奨するために学童生徒を修学旅行の名の下に伊勢神宮集団参拝を強制しました。戦後は「神道指令」に基づいて政府と神社神道との分離が行われ、伊勢神宮は一宗教法人である神社本庁の本宗として位置付けられつつも、その存在は思想良心の自由を奪った過去の負の歴史を象徴しています。
 そのような神社に国家の代表である首相が参拝することは隣国においても自国においても思想信条までも奪った歴史の反省を全く無視する行為です。また、新しく成立した自公政権が天皇を現人神として国民に忠誠を誓わせ武力を持って軍国主義の道を再び歩ませるのではないかという危惧を覚えます。
 日本が過去の過ちを二度と繰り返さず、信教の自由という基本的人権の根幹を守る国家となるために、日本国政府の代表である安倍晋三首相が日本国憲法第20条の政教分離原則を遵守し、伊勢神宮及び靖国神社をはじめとする神社神道における参拝を行われないよう、ここに要請を致します。

2013年1月7日
日本長老教会社会委員会
委員長 星出卓也


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