首相の伊勢神宮参拝に抗議します

内閣総理大臣 安倍晋三殿

 私ども日本長老教会社会委員会は、あなたが内閣総理大臣という立場で伊勢神宮参拝を2014年1月6日に再び行ったことに抗議を致します。
 特定の宗教法人である伊勢神宮に行政機関の長である内閣総理大臣が参拝することは、日本国憲法20条3項の政教分離違反です。特に伊勢神宮は、戦前戦中における陸海軍の集団参拝、旧満州の皇帝に対する参拝強制に見られるように、靖国神社と並んで戦争と深いかかわりを持ち、侵略行為の象徴的存在となった神社です。修学旅行の名の下に生徒への参拝強制を行って信教の自由を踏みにじった歴史をも担っています。このような神社に、戦後においても首相が恒例的に年頭の参拝を行っていることは、歴史の反省を全く無視している非常に憂えるべき事態です。
 日本国憲法第20条3項の政教分離原則は、二度と国民から信教の自由を奪わず、アジア諸国に対する侵略加害を行なわないという決意と歴史の反省に立って定められています。内閣総理大臣はこの歴史の教訓を深く心に刻み、決して過去の過ちを繰り返すことの無いように自らを戒め、一切の神社等の宗教施設への参拝から身を引くべき責任があります。首相の昨年末の靖国神社参拝には内外から厳しい抗議や忠告が寄せられましたが、それを全く無視するような態度で年初の伊勢神宮参拝を当然のように行ったのは、おぞましい過去の軍国主義に戻ることを当然とするのに等しい行為ではありませんか。それを「再び戦争の惨禍が起こることのないように平和を祈念して参拝した」と説明するのは、矛盾に満ちた欺瞞と言わざるを得ません。
 私どもは以上の理由から、首相の年頭の伊勢神宮参拝に抗議するとともに、二度と首相の立場での神社等宗教施設への参拝を行われないよう強く求めます。
 
2014年1月15日
日本長老教会社会委員会
委員長 星出卓也