「長老教会って、どんな教会?」(2)

 前回は、監督制、会衆制、長老制という教会政治の基本的な形態のうち監督制の特徴についてお話ししました。監督制を採用している教会としては、 ローマ・カトリック教会、ギリシャ正教会などの東方教会、英国国教会(聖公会)、ルター派のある教派、メソジスト系のある教派などがあります。
 ついでながら、ローマ・カトリック教会とプロテスタント教会はともに西方教会に分類され、東方教会と区別されます。
 次に、会衆制の特徴ですが、ひとことで言いますと、会衆制は監督制が設けている区別をすべて否定します。
 具体的には、第一に、監督制が信徒と教職を区別し、教職にのみ教会政治上の権威を認めるのに対し、会衆制では、教会政治上の決定権はすべて教会員にあります。教職も一信徒であり、教職は職務として教職ですが、教会政治上、特別な権威はありません。
 第二に、教職の間に地位と職務の上での階級的な区別はありません。
 第三に、教会会議の間にも階位的(段階的)な区別はありません。各個教会が完全独立していて、各個教会の会員総会以上の権威はありません。各個教会が連帯して教団を組織するのは、各個教会間の協力のための「連盟」(「連合」、「同盟」)によるものです。
 会衆制を採用している教会は、組合派の教会、バプテスト派の教会、単立教会などですが、一般に、信条や信仰告白を基準とすることに反対します。
 最後に長老制の特徴ですが、ひとことで言いますと、長老制は監督制と会衆制の中間を行くものと言えます。
 具体的には、第一に、監督制が信徒と教職の間に区別を設けて、教職のみが教会政治上の権威を持つとするのに対して、長老制では、信徒を代表する治会長老(日本長老教会では「信徒長老」)も教会政治に参与します。
 第二に、監督制が教職の間に地位と職務による階級的な区別を設けているのに対し、長老制では、教職の間に地位と職務の上での階級的な区別はありません。教会政治上の権威において教職は平等です。
 第三に、会衆制が教職に教会政治上の権威を認めないのに対し、長老制は、教会を治める者(教師と長老)の権威を強調します。教会を治める者は単なる会衆の代表者ではなく、キリストから任命されたキリストのしもべです。
 第四に、会衆制が各個教会の完全独立性を主張するのに対して、長老制では、各個教会(「地区教会」)は自律的ではありますが、各個教会越えて広がる地域 教会(同じ地域にある地区教会から成っている)があり、さらにそれを越えて何段階かに広がる地方教会があり、その全体が一つの教会であると理解していま す。そして、地区教会の長老たちによって構成される小会、地方教会の長老たちによって構成される中会、さらにそれを越える地方教会の長老たちによって構成 される大会、さらには総会があって、共同牧会(監督)権を持っています。
 長老制を採用している教会は改革派教会と長老教会です。

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