「長老教会って、どんな教会?」(1)
割り当てられているスペースが限られていますので何回になるか分かりませんが、これからお話しすることは、以前、日 本長老教会の合同教育委員会の要請にしたがって記しました「長老政治について」という小論に基づいています[もとの文書は玉川上水キリスト教会のホーム ページに掲載されています(http://www.hat.hi-ho.ne.jp/ists1970/)]。
キリスト者の中には教会政治を認めないという立場の人々もいますが、地上にあるキリストの教会は何らかの形の集団 で、それを形成するうえでの原理、原則があると考えている教会は、監督制、会衆制、長老制という三つの教会政治の形態のどれかを採用しています。ただし、 実際には、それぞれの教会によってバリエーションがあります。
次に、それぞれの形態の特徴を記しますが、ここでは、長老制を最後に取り上げることになります。それは、長老制に は、監督制と会衆制の問題点を意識して、それを修正しているという一面があるからです。そして、この場合の問題点というのは、人の目から見て合理的でない とか、時代に合わないとか、何らかの点で都合が悪いというような意味ではなく、教会政治を教会のかしらであられる主の御言葉が示している原則に沿ったもの にしようとしたときに考えられる問題点という意味です。
監督制の特徴は三つあります。第一に、信徒と教職の間に区別を設けています。そして、教会を治める権威は教職のみに あるとします。教会会議の議員は教職のみです。第二に、教職の間に、地位と職務による上下の階級的な区別を設けています。基本的には、上位から、監督と司 祭と助祭(執事)に分かれます。監督は使徒権を継承しているとされます。新たな監督、司祭、助祭(執事)を任命するのは、監督たちです。第三に、監督の管 轄下にある教区制を採っています。
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