礼拝指針

第11回大会制定(2002年11月22日)

1章 公的礼拝の原理

(公的礼拝の原理)

1-1 公的礼拝の諸原理は、聖書からのみ引き出される。

(公的礼拝の意義)

1-2 公的礼拝の意義は、三位一体の神がご自身の契約の民に出会われることにある。

(公的礼拝の目的)

1-3 公的礼拝の目的は、神の栄光のために、聖徒を完成に至らせ、世にある選びの民を教会に加えつつ、キリストのからだである教会を建て上げることにある。

(公的礼拝とキリスト)

1-4 公的礼拝においては、礼拝者は、自分たちが神の御前に近づくための唯一の仲保者であるキリストに信頼し、キリストを公的礼拝を支配する教会のかしらとしてほめたたえ、キリストへの信仰と希望と愛を表現し、礼拝をささげる。

(公的礼拝と神)

1-5 神は万物の創造主であり、初めであり終わりであるので、公的礼拝は、神のものであり、神によってなされ、神に至る。

(公的礼拝と聖霊)

1-6 公的礼拝は、御霊とみことばによってなされる。公的礼拝をささげるときには、聖霊によって新しくされた心を持つ者が、形式主義と偽善を排し、神を畏れ自らをささげるのにふさわしい者とならなければならない。

(公的礼拝の自由と秩序)

1-7 主イエス・キリストは、公的礼拝に定まった様式を命じることはせず、礼拝にいのちと力が満ちるために大きな自由を教会に与 えている。しかし、公的礼拝においては、神のみことばの規準が守られ、主の御霊の自由のうちに、すべてのことが秩序を保ちつつ、簡素、威厳、聖さ、美しさ をもって神にささげられる。

(公的礼拝と神の民)

1-8 公的礼拝は、契約の民、すなわち、キリストのからだとして一つとなった聖徒たちによって行われる。

(公的礼拝と喜び)

1-9 公的礼拝に臨む神の民は、深い畏敬を覚えつつ神のもとに来るだけでなく、大いなる救いのゆえに、感謝して神の門に進み、喜びをもって神の庭に入る。

2章 主の日の聖別

(主の日の準備)

2-1 主の日を覚え、そのために前もって備えることは、すべての信徒に求められている。聖書が要求する安息日の聖別が妨げられないよう、この世のすべての働きを整理する。

(終日の聖別)

2-2 主の日を、終日、主に対して聖く守り、礼拝、安息とあわれみのわざのために用いることが求められている。したがって不必要な労働と、この日の聖さにふさわしくない娯楽はさしひかえる。

(聖別が困難な人への配慮)

2-3 公的礼拝と安息日の聖別が困難な人々を覚えて祈り、励まし、助けるように努める。

(公的礼拝への準備)

2-4 信徒とその家族は、公的礼拝における神との交わりを行うための準備として、自分と他の人のため、特に説教者とその奉仕のために祝福を祈り、聖書を読み、みことばに基づいて瞑想をする。

3章 公的礼拝の秩序

(礼拝出席)

3-1 公的礼拝のすべての要素が礼拝を構成しているので、礼拝者は定刻までに着席する。また、礼拝者は祝祷が終わるまではみだりに席を離れない。

(礼拝前の態度)

3-2 礼拝者は、礼拝にふさわしい服装に整え、礼儀正しく敬虔な態度で着席し、説教者と他の奉仕者、出席者および礼拝に出席できない人、また自分自身のために黙祷をささげ、開会を待つ。

(礼拝中の態度)

3-3 礼拝が始まったら、礼拝者はみな、公的礼拝の場にふさわしく敬虔な思いで臨む。

(子どもとの礼拝)

3-4 家族一同が神の家で共に礼拝することが重要である。そのために子どもたちも親とともに礼拝に列席する。

4章 聖書の公的朗読

(礼拝行為としての朗読)

4-1 礼拝における聖書の公的朗読は、神が直接会衆に語りかけるものであり、公的礼拝の最重要な一部分であるので、みことばの宣教にたずさわる者がこれに当たる。聖書の正典を繰り返し朗読することは、人々が聖書全体をよりよく知るために有益である。

(朗読範囲)

4-2 朗読の範囲は、教師の判断に任される。範囲の決定にあたっては、他の礼拝の要素と調和するように、時間の配分を考慮する。

(会衆の態度)

4-3 会衆は、御霊に信頼し、朗読されるみことばに心を傾けて聴く。

5章 公的祈り

(開会閉会の祈り)

5-1 開会の祈りでは司会者は、大祭司としてのキリストへの信頼を告白し、聖霊のご臨在と導きを求める。通常、公的礼拝は祝祷をもって閉じる。

(説教前の祈り)

5-2 説教の前に、次の要素を含む祈りをささげる。

頌栄
感謝
罪の告白
祝福を求める願い
とりなし

(説教後の祈り)

5-3 説教の後の祈りは、通常、説教の内容に関連させる。

(その他の祈り)

5-4 公的礼拝においてささげられる、その他すべての公的祈りは、その場にふさわしいものとする。

(祈祷者の心構え)

5-5 教師は、説教と同様、公的祈りのためにも準備する。教師は聖書に精通し、祈りに関する最良の文書を研究し、瞑想により、ま た神との交わりの生活によって、祈りの精神と賜物とを受けるように励む。さらに、公的礼拝において祈りをささげるときには、心を静め、思いを整え、品位と 礼節をもって礼拝者の益となるように、この務めを果たす。その他、公的祈りをささげる者も、同じ心構えで祈りのために準備する。

(会衆の態度)

5-6 公的祈りの間、会衆はいつも敬虔な態度を保ち、心を祈りに集中する。

6章 みことばの説教

(説教の重要性)

6-1 みことばの説教は、人を救い、聖徒を養い育て、キリストのからだである教会を建て上げるために、恵みの手段として神が定め られたものである。それゆえ説教者も会衆も慎重な態度でこれに参与する。説教者は、真理のことばを正しく教え、恥じるところのない働き人として専心これに 当たる。

(説教と聖書)

6-2 説教の目的は、聖書を説き明かし、それを会衆に適切に適用することである。説教に使われる聖句の長短は、説教者の判断に任される。聖句は、単に標語としてのみ使用しないで、説き明かされることが必要である。

(説教者の心得)

6-3 聖書はキリストをあかししているので、説教者は不謹慎な自己主張に陥ることを避け、キリストをあかししなければならない。 また、神のご計画の全体を余すところなく伝えるために、絶えざる研究・瞑想・祈りをもって説教を慎重に準備する。説教者は、福音の単純性を保ち、すべての 人々に理解されることばで語る。また説教者は、自己の生活によってその説教する福音をあかしし、ことばと行いにおいて信者の模範となる。

(会衆の心得)

6-4 会衆は、説教を聴くにあたり、よく備え、御霊に信頼して聴き、信仰・愛・柔和をもって、明らかにされた真理を神のみことばとして受け入れる。また、聴いた説教を聖書によって調べ、それについて瞑想し、語り合い、心にたくわえて生活の中でその実を結ぶことが求められる。

(説教の時間)

6-5 公的礼拝においては、会衆が礼拝のすべての行為に参加することが重要である。説教者は、祈りと賛美を妨げる長い説教を慎み、礼拝の各部分が均衡を保つように配慮する。

7章 洗礼と礼典への受け入れ
1節 幼児洗礼

(契約の子の特権)

7-1-1 親と子に対する神の恵みの契約に基づいて子に洗礼を授けさせることは、子の特権であり親の義務である。洗礼は不必要に引き延ばされてはならない。

(誓約者)

7-1-2 子の洗礼にあたって親または他の責任者は、あらかじめ小会に申し出て試問を受け、洗礼式で誓約する。洗礼式は、通常、教会の公的礼拝において執行される。

(洗礼の教え)

7-1-3 教師は、洗礼を準備するにあたって、この礼典の制定、性質、効用、目的についてみことばに基づいて、次のことを教えなければならない。

(1)洗礼は、私たちの主イエス・キリストによって制定された。
(2)洗礼は、恵みの契約のしるしであり、私たちがキリストと結合されたこと、新しく生まれていること、罪を赦されていること、子とされていること、永遠のいのちを与えられていることのしるしである。
(3)洗礼における水は、私たちの原罪と現実罪のすべての罪責を取り去るキリストの血と、私たちの罪をきよめ、罪の支配から解放してくださる御霊を表す。
(4)水を注いだり、振りかけたり、沈めたりすることは、キリストの血によって罪をきよめられることと、キリストの死と復活にあずかって新しいいのちによみがえることを示す。
(5)この約束は信者とその子どもに与えられている。また、新しい契約は、古い契約と本質的に同一であり、神の恵みと信者の慰めは古い契約におけるよりも 豊かである。信者の子どもは、新しい契約の祝福と、そのしるしおよび教会の外的特権にあずかる権利を持っている。
(6)契約の主であるイエス・キリストは、みもとに来た子どもを受け入れ、抱き、祝福して、「神の国はこのような者のものである」と言われた。
(7)信者の子どもは、世と区別された者として、洗礼によって見える教会に受け入れられる。
(8)信者の子どもは、神の契約の約束によって、契約の子として生まれてくるので、洗礼以前に契約的にきよい。それゆえに洗礼を授けられる。
(9)洗礼の恵みは、洗礼が執行されるときだけに限定されるのではなく、私たちの全生涯に及ぶ。また、洗礼なしには幼児が滅びに至るかのように考えべきではない。
(10)信者の子どもは、それが神の契約の規定であるので、洗礼を授けられて契約の共同体である教会に受け入れられる。しかし、その一員であり続けるため には、それだけでは十分ではない。子どもは分別のつく年齢に達したときには、自らの罪を悔い改め、キリストへの信仰を公に告白するとともに、御霊の導きに 信頼し、主のみこころに従って歩むことによって、神の契約の祝福にあずからなければならない。

(勧め)

7-1-4 教師には、洗礼に関して正しく信徒を教えることが求められている。教師は、すべての者が、神との契約に反する罪を悔い 改め、契約の主の真実さに対する信仰を働かせるために、洗礼を思い起こすよう勧める。また、教師は、親が洗礼において与えられた恵みを熟考し、子どもを主 の養育と訓戒の中で育てるよう勧める。
すなわち、

(1)神のみことばを読むように子どもに教える。
(2)聖書の基本的教理を子どもに教える。それは、旧新約聖書に示されており、ウェストミンスター信仰告白および大小教理問答に十分に要約されている。
(3)子どもとともに、また子どものために祈る。
(4)子どもに対して、信仰と生活の模範を示し、神の定めたすべての手段によって、主の養育と訓戒の中で子どもを育てるように努める。

(誓約)

7-1-5 洗礼式において、教師は、次のような誓約を求める。

(1)あなた(がた)は、あなた(がた)に与えられた幼子が恵みによる契約の子であることを信じますか。
(2)あなた(がた)は、幼子に、イエス・キリストの血による罪の贖いと、聖霊による新生の恵みが必要であることを認めますか。
(3)あなた(がた)は、自分の救いのためにイエス・キリストに依り頼むように、幼子の救いのためにも、唯一の救い主イエス・キリストに依り頼みますか。
(4)あなた(がた)は、神の恵みに依り頼み、幼子の前に敬虔の模範を示し、幼子とともに、また、幼子のために祈り、教理を教え、みことばに基づく主の薫陶と訓戒のうちに幼子を養育するように努めることを約束しますか。

(授洗)

7-1-6 誓約の後、教師は祝福を祈り、受洗者の名を呼び、「父と子と聖霊の御名によって洗礼を授ける。アーメン」と言って洗礼を授ける。このほか、どのような儀式も付加してはならない。

(授洗者)

7-1-7 洗礼は、どのような場合も、神の奥義の管理者として召された教師によってのみ授けられる。

2節 信仰告白

(教会の配慮)

7-2-1 神の契約のうちに生まれ、洗礼を授けられて見える教会に受け入れられた子は、教会の配慮のもとにおかれる。教会は、契 約の子に対して、神を愛し、主イエス・キリストに従い仕えるように教える。また、教会は契約の子が分別のつく年齢に達したときに、自分が生まれながらの特 権によって教会の会員であること、および自分の信仰によってキリストを受け入れ、告白し、陪餐への認可を願うことが特権であり義務であることを思い起こさ せる。

(試問)

7-2-2 契約の子がいつ分別のつく年齢に達するか、その時期は一律には決定できない。その判断は小会に任される。
小会は、信仰告白志願者の信仰上の知識と敬虔について試問する。

(誓約)

7-2-3 信仰告白式は、通常、教会の公的礼拝において執行される。

(1)そのとき、教師は次のように述べる。
「小会は、幼児洗礼を受け、契約の子として成長した(  )兄弟(姉妹)を、信仰の知識と敬虔について試問し、この兄弟(姉妹)が今や聖餐に表されている主と聖徒との交わりにあずかる特権と責任を持つにふさわしいことを、認めました。」
(2)教師は、信仰告白をする者に対して、次のように述べる。
「あなたは、次の信仰を告白し、誓約をすることが求められています。」
1)(  )兄弟、(  )姉妹、あなた(がた)は、天地の創造主なる生ける神のみを信じますか。
2)あなた(がた)は、自分が神の御前に罪人であり、神の怒りに値し、神のあわれみによらなければ、望みのないことを認めますか。
3)あなた(がた)は、主イエス・キリストを神の御子、また罪人の救い主と信じ、救いのために、福音において提供されているキリストのみを受け入れ、この方のみに依り頼みますか。
4)あなた(がた)は、聖霊の導きに信頼し、キリストのからだなる教会の一員にふさわしく生きることを決心しますか。
5)あなた(がた)は、神の栄光を現わすために、最善を尽くして教会の礼拝を守り、奉仕し、教会を維持することを約束しますか。
6)あなた(がた)は、日本長老教会の政治と戒規に服し、その純潔と平和のために努めることを約束しますか。

3節 成人洗礼

(試問)

7-3-1 まだ洗礼を受けていない者は、恵みの契約に基づいて、信仰を告白し、洗礼を受けることにより、見える教会の一員となり、主の晩餐にあずかる者となる。
洗礼を希望する者は、信仰上の知識と敬虔について小会の試問を受ける。小会の承認を得た後、通常、教会の公的礼拝で、その信仰を告白し、洗礼を受ける。

(誓約)

7-3-2 洗礼のとき、教師は次のように述べる。
「小会は、信仰上の知識と敬虔について慎重に試問し、この兄弟(姉妹)を教会の交わりに受け入れることを認めました。」
続いて教師は次の誓約を求める。
「今ここに、洗礼を志願するあなたは、次の信仰を告白し、誓約をすることが求められています。これにより、あなたは神と教会とのおごそかな契約に入れられるのです。」
この際の誓約は、7-2-3による。

8章 主の聖晩餐

(時機)

8-1 教会は、主の晩餐と呼ばれる聖餐を守る。小会は、教会の建徳のために判断して、それを行う時機を決定する。

(準備)

8-2 この礼典を執行するにあたっては、陪餐者が聖餐の意義を踏まえ、ふさわしい準備をして陪餐できるよう予告する。

(制定のみことば)

8-3 この礼典を執行するときには教師は、福音書の該当箇所またはコリント人への手紙第一11章からのみことばを読み、必要に応じて説明して、次のことを教える。

(1)聖餐は、キリストが制定された新しい契約の礼典である。
(2)聖餐は、キリストが再び来られるときまで主の死を告げ知らせるために、キリストを覚えて行う。
(3)聖餐は、契約の主であるキリストが用いてくださる恵みの手段である。これによって、キリストは、ご自身の民が、御霊によって栄光のキリストに結び合 わされていることと、キリストにあってお互いとの交わりに入れられていることを確信させてくださる。そして、ご自身の民を、キリストとの神秘的結合がもた らす祝福によって成長させてくださり、主への愛と信仰と主の民への愛とを熱心に燃やし、罪との戦いにおいて強め、艱難のもとで支え、義務の遂行へと励ま し、良心の平安と永遠のいのちへの望みにおいて確かなものとしてくださる。

(陪餐への招き)

8-4 教師は、自己の罪を悔い、救いのために主イエス・キリストに信頼し、キリスト者としてふさわしく生きることを願うすべての 陪餐会員を、聖餐にあずかるように招く。この礼典は主の定めによって聖徒の交わりを表わすものであるから、教師は、列席している他教会の陪餐会員をも招 く。

(配餐)

8-5 陪餐者は秩序正しく敬虔な思いをもって集まり、配餐奉仕者も秩序正しく敬虔な思いをもって位置につく。そこで教師は、感謝をもってパンと杯を聖別する祈りをささげ、分配する。

(陪餐の態度)

8-6 聖餐の二品が分配されている間、陪餐者は主と交わり、みことばについて黙想し、感謝や祈願をささげるようにする。

(陪餐感謝)

8-7 聖餐は感謝の祈りをもって終わるが、賛美の歌と祝祷を加えてもよい。

9章 賛美の歌

(礼拝行為としての賛美の歌)

9-1 神を賛美することは、神の民の特権であり義務である。したがって賛美の歌を歌うことは、公的礼拝の重要な部分である。

(賛美の態度)

9-2 賛美の歌は、歌詞を理解し、礼拝の精神を持って歌う。全会衆がこの礼拝行為に参加できるように、十分に配慮することが望ましい。

(歌の選択)

9-3 教会に与えられた歴史的財産としての賛美の歌を尊重しつつ、新しい歌や詩篇も歌うことが望ましい。しかし、歌の選択にあたっては、みことばに基づいており、礼拝の精神と一致するものであるように留意する。

(指導者と聖歌隊)

9-4 賛美の歌唱指導は、小会の判断に任される。小会は、歌唱指導者を選任するにあたり、その人の人格と資質を考慮する。また、聖歌隊の賛美が会衆の賛美に取って代わってはならない。

(賛美の時間)

9-5 公的礼拝での賛美にあてられる時間の長さは、教師の判断に任される。会衆が賛美の歌を歌うことは、大いに奨励される。

10章 ささげ物による神礼拝

(献金の精神)

10-1 天と地をお造りになった神は、私たちを含めて万物を所有しておられる。また、私たちは、主イエス・キリストのいのちの代 価をもって買い取られて、主の所有の民としていただいている。さらに、神は、私たちに、ご自身がお造りになった世界を治める使命をゆだねるとともに、その ために必要な賜物と支えを備えてくださっている。
これらのことを感謝するとともに告白し、すべてを神にささげることの具体的なしるしとして、喜びを持って収入のうちから一定のものを区別し、キリストの 御名によって、直接的に神にささげる。そのようにして神を礼拝することが、私たちの公的礼拝において求められている
ささげ物の基準として、モーセの律法の下では「十分の一」が規定されていたが、恵みがより豊かに注がれている新しい契約のもとでは、より豊かな感謝とと もに、古い契約の下での「十分の一」に勝るものをささげるように心がける。また、直接的には主にささげないものも、主からゆだねられたものとして、日常の 生活の中で神の栄光を現すために使用する。

(献金の奉仕のわざ)

10-2 教会を支えるため、国内国外の福音宣教のため、また貧しい人々の救済のために、規則正しく、計画的にふさわしい献金をさ さげることは、主からの祝福に満ちた奉仕のわざである。また、献金は、感謝と献身の表れでもあり、神を礼拝する行為として公的礼拝中の適当なときに行われ るようにする。

(献金の祈り)

10-3 献金は、感謝と献身の祈りをもって神にささげられる。

11章 祈りのための諸集会

(祈りのための諸集会の指導)

11-1 祈りのため諸集会は、小会の指導の下に、できるだけ定期的に守り、牧師、長老、または小会の選んだ者が指導する。

(祈りのための諸集会の内容)

11-2 祈りのための諸集会の内容は、通常、祈り、賛美、聖書朗読、教えまたは勧めである。また、聖書や教理問答書などの学びに よっても実り豊かにされる。牧師と小会は、とりなしの祈りに重きをおきつつ、主の祈りの精神にそって、霊的で、生き生きとした集会にするように努力する。

(祈りのための諸集会参加への奨励)

11-3 小会は、教会員に老若を問わず祈りのための諸集会に参加し、積極的に祈るよう奨励する。

12章 断食と感謝の日

(根拠)

12-1 断食の日と感謝の日を神の摂理と導きによって守ることは、聖書的であり、理性にもかなっている。

(範囲)

12-2 断食の日と感謝の日は、個々の信者・家庭・特定の教会・近隣諸教会・中会内の全教会、大会内の全教会などによって守られる。

2 これらの日の選定は、それぞれの個人・家庭・小会・中会・大会の判断に任される。

(断食の日および断食の方法)

12-3 断食の日には、この日を守ることを必要とした事柄について、普段よりも熱心に祈り、自覚した罪を悔い改める。

2 断食は、水分を除くすべての食を断つことによって行われる。

(感謝の日)

12-4 感謝の日には、この日を守ることを必要とした事柄について、普段よりも熱心に賛美し、その事柄にふさしく感謝をささげる。しかし、その喜びが度を過ごして、敬虔な精神を失わないことが求められる。

13章 結婚および結婚式

(結婚の意義)

13-1 結婚は、神が人をご自身のかたちに、また、男と女にお造りになったことから出ている。結婚のきずなは、神のかたちとして 人格的に成熟した男女の愛によるもので、神と人間、契約の主とその民の関係を映し出す。また、これによって生み出される家庭は、人間の社会の基本的な単位 である。人類は、神の祝福の下に、最初の男女から増え広がって、地を満たし、歴史と文化を築いてきた。
人類の堕落によって結婚の本来の姿は損なわれたが、神は、なおも一般恩恵によって、人に慰めをもたらし社会を支えるものとして、また、人類が歴史と文化を継承するための基本的な手段として、結婚を用いておられる。
神は、キリストの贖いのみわざを通して、結婚の本来の姿を回復してくださっている。キリストにあって結ばれた男女は、この世にあってキリストと教会の関 係を映し出しつつ、主の祝福の下に、世の終わりの完成の時に至るまで、新しい契約の民の歴史を築く使命に参与する。

(結婚の制定)

13-2 結婚は、礼典ではないが、神が定められた制度である。国家が法律を作り、社会の秩序と福祉のために結婚を規制するのは正しいことである。

(キリスト者の結婚)

13-3 キリスト者は、キリスト者同士が主にあって結婚する。それゆえ、結婚するにあたっては、教師または教師試補が司式をし、結婚について教え、適切な祈りをささげるようにすべきである。

(一夫一妻)

13-4 結婚は、神のみことばに従って、一人の男子と一人の女子の間になされるものである。

(結婚の準備)

13-5 結婚する両者は、牧師またはその他の適切な人から、結婚と家庭について、主の教えを中心として学ぶとともに、交わりをきよく保ち、祈りをもって、結婚の日を待ち望むべきである。

(親の配慮)

13-6 親は、本人の意志に反して結婚を強制してはならず、また、正当で重大な理由なしに反対してはならない。

(公共性)

13-7 結婚は、公共性を有し、社会の秩序と安寧、家庭の幸福、教会の社会的信用に深い関係がある。それゆえ、あらかじめ結婚式を公表する。教師は、当事者たちが神の律法と国家の法律にそむかないように注意し、また家庭の平和のために正当な反対のないことを確認する義務がある。

14章 家庭における信仰生活

(個人礼拝)

14-1 信者は、公的礼拝のほかに、個人的に神を礼拝することが求められている。信者は、日々時をさいて主の前に静まり、祈り、聖書を読み、黙想し、悔い改めをし、恵みを確認する。

(家庭礼拝)

14-2 家庭礼拝は、キリスト者家庭の特権であり義務であって、賛美、聖書朗読、祈りなどからなる。

(家庭教育)

14-3 親は、子どもなどを神のみことばとその原理に立って教える。聖書や信仰の良書を読むことを勧め、信仰教育のためのあらゆる機会を用いる。

(生活の模範)

14-4 親は、家族の前に信仰と生活の模範を示す。主の日の過ごし方には特に注意し、不必要な娯楽や家庭の霊的生活に有害な行動にふけることは避ける。

(教会との協力)

14-5 親は、信仰教育の任務を果たすにあたって、教会学校や礼拝への出席の模範を示すこと、子どもの教課の準備を助けること、福音の教えに従って生活するよう指導することなどにより、教会と協力する。

15章 病人への訪問

(訪問の招請)

15-1 牧師は、その責任をゆだねられた人々を、公的に教えるだけでなく、その一人一人を特別に、戒め、勧め、責め、慰めるためにも立てられている。それゆえ、病人が牧師や長老の訪問を招請することが勧められる。

(訪問の責務)

15-2 牧師および長老が病人を訪問することは、彼らに与えられた牧会の責務である。牧師は、長老とともに、柔和と愛のうちに、 その病人の信仰状態などを把握し、十分な配慮をもって、ともに神を礼拝し、病人が神の恵みの御手に支えられるように祈り、聖書のみことばによって霊的な助 けと導きを与える。

(病床聖餐式)

15-3 公的礼拝の外での個人的聖餐は、慎まねばならないが、病床に伏し公的礼拝での聖餐式に列席できない病人のために、病床聖餐式をすることができる。その際には、教会の交わりを代表する長老などが列席する。

(祈りと通知)

15-4 信仰による祈りの力は大きい。それゆえキリスト者は、お互いの間に病人がある場合、その病人が神の恵みの御手に支えられ るように懇願し、回復への適切な手段の上に神の祝福があるように祈る。また、牧師、長老、執事、信者がともに病人のために祈り、配慮することができるよう に、お互いに知らせ合う。

16章 死者の葬儀

(目的と内容)

16-1 葬儀は、神への礼拝、遺体の葬り、地上に残された者への慰めのためにある。
葬儀は、通常、教師または教師試補によって次のように行われる。

(1)ふさわしい賛美の歌を歌う。
(2)適切な聖句を朗読して説教する。
(3)特に遺族を覚えて、彼らが悲しみにあって支えられ、慰められ、また励まされて霊的に益を受けるように、神の恵みを祈り求める。ただし、死者礼拝など異教的習慣は避けつつ簡潔に行う。

(埋葬など)

16-2 遺体または遺骨は、法律に従って復活の望みを持つ者にふさわしく、丁重に扱い、埋葬などをする。

17章 教会教育

(教会教育の目的)

17-1 教会教育の目的は、契約の子への訓育、成人会員への教育を通して、キリスト者の霊的成長と信仰の完成を目指すものであ る。さらにそれは、未信者と未信者の子どもへの教育的伝道も目的とする。それは主イエス・キリストにおいて啓示された創造主なる神への信仰、主また救い主 としてのキリストに対する告白、キリストとの交わり、キリスト者生活への献身、教会の活動への参与などによって達成される。

(教会教育の働きの種類)

17-2 教会教育は、主の日の礼拝、祈り会などと合わせ、主の日を中心に行われる教会学校、各種の聖書学校・キャンプ・修養会な どの訓練会を通して行われる。対象者が契約の子の場合は親はその子どもを励まし、それに参加させるよう努める。また、成人会員の場合は自ら積極的に参加 し、その恵みにあずかる機会をつくりだすように努める。

(教育の監督と責任)

17-3 小会は、すべての教会の教育活動を掌握し、監督する。また、必要に応じて教案の整備と教会学校・聖書学校などの必要な働 きを組織し、責任者および教師を任命する。小会は、教育状況とその必要について常に報告を受け、その活動に必要なものを整えるように配慮する。教育を担当 する長老は、牧師とともに、小会に対し教会教育の責任を負う。

(教会学校の働き)

17-4 教会教育の中心は、毎週行われる教会学校であり、その働きは礼拝・教育・交わり・献金および奉仕である。教会学校は、主の日の公的礼拝に結びつくよう配慮されるべきであり、教会学校の礼拝を主の日の公的礼拝に代えてはならない。

(教会教育教師の資質と訓練)

17-5 教会教育は、教会教育を担う教師の人格と資質に負うところが大である。小会は教師を教会員の中から、信仰歴、動機、教育 的理想、教育技術、キリスト者としての品性などを考慮し、認定および任命する。教師は、召命を確信し、教育方針に忠実であり、教える者にふさわしく生活を 整え、周到な準備をする。その働きのため教師には一定の訓練が要求され、またそれを受ける機会が備えられ、それに参加する。

(教案の内容)

17-6 教会教育の主要な教科書は、聖書とウェストミンスター信仰告白ならびに大小教理問答書であり、すべての教育課程の中心で ある。その教案は、霊的生活、伝道、キリスト者の訓練、キリスト教的生活管理(スチュワードシップ)、またキリスト教的社会奉仕などのために適切な信仰教 育を施すよう編成される。校長は、牧師とともに、小会に対し教会学校の教案について責任を負う。

附則

(施行期日)

1 この礼拝指針は、大会会議終結の日から施行する。(2002年11月22日)



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