「天皇の退位・即位に関わる儀式が国事行為又は宮廷費から支出する公的な性格を持つ儀式として行われたこと」に抗議します

内閣総理大臣 安倍晋三様
宮内庁長官  山本信一郎様

 私共、日本長老教会は、天皇の代替わりにおいて、宗教的な色彩が極めて強い儀式が、国事行為又は宮廷費から支出する公的な性格を持つ儀式として行われたことに対して、日本国憲法20条3項の政教分離原則、及び同89条の宗教組織への公金支出の禁止違反であることに基づき遺憾の意を表します。

 天皇の代替わりの日程が2019年4月30日退位、5月1日即位と決定され、政府が設置した「退位に伴う皇位継承の準備委員会」にて式典の基本方針が決定されました。そこでは「前回の明仁天皇即位の時にこれらの式典は現憲法下で十分な検討が行われた」「今回も基本的な考え方や内容は踏襲されるべきだ」という方向で進み、これにて「憲法と皇室の伝統の両立」が図れると結論付けられています。同時に「即位礼正殿の儀」および、「剣璽等承継の儀」をはじめとする七つの「退位・即位の礼」関連儀式を国事行為とし、「大嘗祭」については、「極めて重要な伝統的皇位継承儀式で公的性格があり、費用を(公金である)宮廷費から支出することが相当」としています。

 これらの神道行事を、「日本の伝統」とし、「憲法と皇室の伝統が両立する」ものとすることは、政教分離原則を歪めるものです。市民が神道を信じない自由、神道行事に参加しない自由は、ますます「日本の伝統」の名の下に制限されることになります。

 天皇の退位・即位に関する儀式から徹底して宗教的側面を排除せず、宗教的理念に基づく儀式を国事行為又は公的行事として宮廷費の支出をもって行い、政教分離原則をおろそかにしたことに対して、遺憾の意を表します。

2019年11月23日
日本長老教会大会会議2019



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