日本基督長老教会 創立30周年記念宣言

 私たち日本基督長老教会は、1956年12月9日に創立以来、30年の歴史を経過しました。私たちのめざしてきた教会建設は、純粋な聖書的信仰、厳正な改革主義神学、清潔なキリスト者生活、積極的立証と宣教、日本基督長老教会々員による自主自営の精神を土台としてきました。

 先の20周年記念大会以降、キリスト教界では、聖書観やカリスマ運動などが問題化し、一般社会では、ヤスクニ勢力の増長、性の倒錯、嗜好品の有害性、暴力の低年齢化などが表面化しています。このような風潮の中にあって、純正な福音をかかげ、清潔な証人の道を歩むことの重要性はいよいよ増しており、教理と実践とあいまって「世の光」「地の塩」であろうとする私たちの教会の使命は、一層、大いなるものがあると信じます。主は、あわれみのうちに、私たちの志を支え、導き、困難な中にも望外の成長をもって励ましてくださいました。

 すなわち、この10年の間にも、教勢の面において、会員数は2倍、教師は1.6倍、長老は1.6倍、執事は1.5倍、礼拝出席者は2.5倍、祈祷会出席者は3倍となりました。教会学校生徒は1.3倍となり、とりわけ契約の子らの成長は目覚ましく第2世代を形成しています。開拓伝道は13か所におよび、そのうち7か所が伝道教会を設立するに至り、4つの教会の加入とあいまって、教会数は1.7倍の33になりました。宣教の広がりは関東、中部、関西に加えて九州、北陸に及び、海外に向かっては、タイ、インドネシア、エクアドル、ミクロネシアに宣教師を送り出しています。その間、日本にある隣国の兄姉たちの群れの加入によって、国際的交わりに導かれ、さらに、東部中会では同じ長老主義に立つ友好教会との交流を進めつつあります。また、世界福音化のための各種伝道団体との協力、神学教育機関への参与の責任は増大しています。

 40周年に向かう私たちは、「主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように翼をかって上ることができる。走ってもたゆまず、歩いても疲れない」(イザヤ書40章31節)との約束に一層よりたのみます。ここに、私たちは創立の精神に基づいて、国家権力に対する監視と抗議の強化、政治基準の整備、信徒教育機関の拡充、老聖徒の福祉機関の開設、カウンセリングセンターの設置、開拓伝道の促進、会堂の建設、中会の新設、海外宣教の強化などをめざし、福音的国内諸教会および諸団体との協力、海外諸教会との交流を鋭意推進しつつ、神の栄光を現わすことを誓います。

 「どうか、私たちのうちに働く力によって、私たちの願うところ、思うところのすぺてを越えて豊かに施すことのできる方に、教会により、またキリスト・イエスにより、栄光が、世々にわたって、とこしえまでありますように。アーメン」(エペソ人への手紙3章20~21節)。

1987年5月4日 日本基督長老教会設立30周年記念大会

(出典:『歴史の源流を辿る―草創期の日本基督長老教会―』守山キリスト教会、2005年9月)

※…出典においては、「祷」の字は「示」偏に「壽」



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