日本基督長老教会 創立10周年記念宣言

 我ら日本基督長老教会は、1956年12月9日発足以来、いつしか10年の歳月をへた。我らは、過去10年、純粋な聖書的信仰、厳正な改革主義神学、清潔な基督者生活、積極的な伝道・立証、日本人による自立自営の諸原則に基づく教会建設という至上かつ至難の業に没頭していたわけである。

 その間、機械文明はいわゆる宇宙時代へと推移し、社会は経済的繁栄を誇り、異教はその勢いを回復して政治権力にも大いに進出した。この激しき世の力に対して、我らが具体的になし得た成果をかえりみる時、我らはおのが証しの力のはなはだ小さき事を、神の前にも人の前にも叫ばざるを得ない。

 とは言え、不変なる神の御経綸は、必ずや我らの教会を通しても推し進められ、実現されている事を確信する。そして、たとえ今日にいたるまでの戦いがいかに困難なものであり、その実がきわめて小さいものであったとしても、我らの立てる原則はその意義を失うどころか、いよいよ緊要とされている事を痛感 するものである。

 文明の発達がかもし出す知的虚無、経済的繁栄がもたらす道徳的腐敗、異教の蔓延による精神的弛緩から、日本を救いうるものは、ただキリストの福音の純粋、厳正、清潔、積極的な自主的宣教と立証以外にはあり得ない。

 ここにおいて、我らの教会は、天においても地においても、いっさいの権威を有し給う主イエス・キリストより与えられ、みずからも使命とする責務を、いかにしても遂行せねばならない。

 今日、我らは10周年を記念しつつ、過去10年の苦闘の歴史をかえりみるとき、みずからの罪と、いたらざる事を悔改め、一人一人がみずからの使命を敬虔に責任をもって実行する事を誓いあいたい。そして、我らの労の少きに比すれば満ちあふれるばかりの恵みをもって、我らの戦いを日夜たえることなく支え、導き、励まし給うた主なる神の変ることなき真実を讃美し、その限りなき栄光をあらわすべく、あらゆる戦線において前進することを期するものである。

 ことに、中部中会設立による大会組織への展開をはじめとして、伝道教会の教会への昇格、各教会の自給自立体制充実、キリスト者家庭の育成、および神学校卒業生を迎えての開拓伝道など、教会活動を通じて神中心の思想と生活とを主張し、内外の聖書信仰に立つ諸教会と共に日本を福音化する希望にむかって 邁進したい。

 今、ここに20年をめざして歩み入った我らは、教職も信徒も、おのおのが聖書に学び、祈り、礼拝し、奉仕すると共に、伝え、証しして、永遠なる神の栄光をあらわす無上の光栄に生きかっ死せんことを願う。

 「願わくは我らのうちに働く能力にしたがいて我らのすべて求むる所すべて思う所よりも、いたく勝ることをなしうる者に、栄光世々限りなく教会によりて、またキリスト・イエスによりて在らんことを。アーメン」(エペソ人への手紙3章20~21節)。

1967年10月10日 日本基督長老教会設立10周年記念大会

(出典:『歴史の源流を辿る―草創期の日本基督長老教会―』守山キリスト教会、2005年9月)



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