日本基督長老教会 創立20周年記念宣言
私たち日本基督長老教会は、1956年12月9日に創立以来、20年の歴史を刻みました。これは決して長いものとは言えないかもしれません。けれども、みずから志した、純粋な聖書的信仰、厳正な宗教改革神学、清潔なキリスト者生活、積極的伝道と立証、日本人による自主・自営の精神に基づく教会建設の困難な歳月をかえりみる時、ここまで守り導いて下さった教会の主のあわれみの大きさを記念する歴史であったことを思います。
しかも、年を追って増し加わる反キリストの力の勢いの中にも、1974年10月10日、ついに大会を設立しえたことは、主がこの群の志をよみしてくださったしるしとして一同感謝にたえないところでした。この大会制度の確立は、東部および中部の2中会による独自の伝道を展開させながら、各個教会の成長や伝道教会の教会昇格をうながし、さらには長期計画による新中会設立の幻を抱かせる、という喜ばしい気運を産み出しています。
その間、内にはクリスチャン・ホームの増加と、契約の子らの成長とは、2代目の時代を期待させると共に、信徒教育の必要を覚えさせ、この面における的確な方策が検討されています。また教会組織が整備されるに従って、私たちは諸教会・諸団体との活動に積極的に参加し始めています。従来どおり神学教育への参与とあわせて、日本福音化のために、このような協力運動にも一層奉仕して行きたいと考えます。
こうして、いよいよ30年に向けて歩み出した私たちの周囲は、経済成長と、それにつづく不況に見舞われて、物質万能主義に疑いを抱き始め、不十分ながらも精神的な飢え渇きを感じているように見うけられます。しかし、その反面では、靖国法案を頂点とする国粋主義的運動、神道国教化勢力の圧迫は、今までにも増してあなどりがたく、私たちを緊張させつづけています。
このような内外からする要請と抱負と緊張を覚えつつ、私たちはこの機会に、あらためて創立の精神を確認しあいながら、集会の充実、開拓伝道、中会新設、海外宣教への参加の諸活動を忠実につづけ、やがて来られる唯一の主イエス・キリストの十字架の福音を力強く証言して、神の栄光をあらわすことを、ここに誓います。
「どうか、私たちのうちに働く力によって、私たちの願うところ、思うところのすべてを越えて豊かに施すことのできる方に、教会により、またイエス・キリストにより、栄光が、世々にわたって、とこしえまでありますように。アーメン」(エペソ人への手紙3章20~21節)。
1977年11月3日 日本基督長老教会設立20周年記念大会
(出典:『歴史の源流を辿る―草創期の日本基督長老教会―』守山キリスト教会、2005年9月)